謙さんのNASHVILLE紀行12  

まずは宮崎勝之を呼び出し彼を丁寧に紹介キャシーのバンドに
交じって1曲演奏、終了後にマンドリンプレイヤーに
(BRENTです)「貴方よりも上手いじゃないの?明日から
貴方はFIRE(首)よ!」なんというキツイジョークを飛ばして
おりました。「KATZがいまNASHVILLEに来ているのは
Japanese singerの(僕や!)Recordingの為です。
御紹介しましょうMr.KEN KITAMURA from JAPAN !!」
ステージにあがる僕をにこやかな笑顔でキャシーは励まして
くれる。「Thank you.」等と言いながら米国人を
気取ってみても、廻りは本物のアメリカ人ばかり、
そりゃ−中にはカナダ人やメキシコ人もいるかも知れんけど
日本人は僕と宮崎だけ、どないしょう?「ソウカ!僕が
歌うのは日本の唄やし誰も解らへんにゃ。」と思った途端に
ゴッツゥ気が楽になりました。「Good evening
ladys & gentleman. My name is KEN KITAMMURA.
I come from NASHVILLE!????I live in NASHVILLE
about 5days. (クスクス)My house is Red roof inn.」
すると宮崎が「Red roof inn near the Airport !」(笑)
「Ican't speak English .That's all !!」(爆笑)
宮崎が「彼は日本では大変良く喋る人で、いつもは五月蝿くて
しょうがないが米国に来ると静かで僕もとても
過ごしやすい。」等と話した。いくら英語が喋れない
と言っても、5日もここに入ればそのくらいの英語は
聞き取れる。まけたら悔しいので「いゃ〜ホンマに
こっち来てから全然日本語を喋ってなかったンデ、このまま
日本語忘れてしまうのんとちゃうか〜なんちゅうことを
思うてたんですわ。そやけどエライモンですねぇ。喋ろと
思うたら何にも考えンでもボロボロと言葉が出てきます。
英語ではこういう訳にはイキマセン。やっぱ僕は
日本人やなぁ〜ちゅうてねぇ。」と思いっきり早口で
喋ってみました。of course日本語で。
お客さんは吃驚してたみたいです。そらそやろ。
さあ、掴みはOK!演奏です。まずは今度のアルバムの1曲目
『雨あがり』ちょっとフォルクロ−レ風なので皆さんも
不思議そう。けど喜んでくれました。歌詞は日本語なので
理解できた人はイ・マ・セ・ン。曲が終わると
「KENのBanjoを楽しんで下さい。」と宮崎がステージを
降りた。ぼくひとり。きっと浦島太郎は竜宮から帰ってきた時
こんな気持ちやったのでしょう。
「Next song I like to do.」(Beatles日本公演で覚えた。)
「Japanese childen song『monkey's yellow cub』
『お・さ・る・の・か・ご・や』」でで〜んと
津軽じょんがら風(Banjongara)を始めた暫く弾くと
じょんがらの見せ場プリングオフの応酬!!あれ?
誰も手を叩かない。おかしいナ?これでもか!!全然ダメ。
『しもたことをした。選曲を間違うた。NASHVILLEでは
BanjoはちゃんとBanjoの弾き方をせなあかんかったんや!!
やっぱり下手くそでも日本人の弾くFoggy Mt. breakdown
の方がよかったんや!』等と思いながらも曲を途中で
止める訳にも行かず『恥じ書き日本人』を覚悟して
ノーピック奏法に差し掛かった。途端に開場は
「Waooooo〜〜〜〜〜〜!!!!!」と大歓声に包まれた
「なんや!そやったんか。こんなんが好きなんか〜。」
ここで大きな文化の差を感じながらも内心『ヨシヨシ』と
頭の中には『恥じ書き日本人』から『NASHVILLEの
音楽界にもイチロ−がやってきた。』という
新聞の見出しがちらつく単純な私でありました。ハイ。
もうこうなったらこっちのもんです。津軽のフレーズは
そこそこに『smoke on the water .』ナンカも入れて
バカにウケを狙った私でありました。終わった途端に
キャシーが「wonderful music !」と喜んでくれるわ、
station innのおばちゃんは「Good feeling !」と
ビールを奢ってくれるわ、何人かの男のグループに
呼び止められて質問攻めに合うわ、いやはやエライこと
でありました。緊張してたせいもあって余計に嬉しい
歓迎でありました。後で聞くと名門station innの
ステージで日本語の唄を歌ったのは僕が初めてだそうです。
そしてstation innのオバチャンにBEERをおごって貰える
ことは絶対と言っていいほどないそうです。やりました!2本も!

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Station innに日本語の歌詞が響き渡る


アンマリキンチョウモシテイナイ


Banjongaraノーピック奏法


ウケちゃって気持ち良さそう


おばちゃんビール御馳走さん