謙さんのNASHVILLE紀行15 


JOHNさんはいろんなKEYのいろんな
笛を持ってます。手前の方は
オリジナルのアルミを削り出した笛
です。


僕とJOHNさん。誰と写真を撮っても
僕が小さく見えます。

彼のマイクセッティングはいつも
こうだそうです。

今日は4月10日。NASHVILLEに来てから9日目、レコーディング
を始めて7日目です。いよいよ楽器をかぶせるのも最後。
このレコーディングで初めて弦楽器以外の音が入ります。これまでも
『DO-YOU REMEMBER』で松田幸一(アリさん)のハーモニカ
が入ったくらいで、弦楽器以外は余り使った事がありません。
今回は2曲だけ『ケーナ』と『ペニーホイッスル』を入れたいと
思っていましたから、出発前からBRENTにプレイヤーを探して
下さいと頼んでいました。どうも苦労したようです。
やって来たのはJOHN MOCKさんNASHVILLEでオーケストラの
コンポーザーをしているそうで作曲や編曲の仕事をしながら趣味で
アイリッシュをやっているとのこと。
(今はデキシーチックスのサポートメンバーです。彼だけで
なくBRYAN SATTONもBRENT TRUITTも)
トランクに幾種類ものホイッスルを詰め込んだ優しそうな人で
あります。僕らは「日本でもアイリッシュの人やフォルクローレの
人は沢山居てはるにゃし、音楽の都NASHVILLEにはそれこそ
ゴマンと居てはるデ。」と思っていたのですが、エライ当て外れ。
聞くところによるとNASHVILLEには彼を含めて3人しか
アイリッシュをやる人が居ないそうです。サンフランシスコではアイリッシュが盛んだという情報を聞いていたので、つくづく「米国は
広いなぁ」を感じました。
「まあ、兎に角始めましょうか。最初は『雨あがり』
から「この曲はフォルクローレ風の曲ですし『ケーナ』吹いてくれ
ますか?」「ケーナ?」「そう、フォルクローレで使う安もんの笛」
「フォルクローレ?」「そう、ラテン・アメリカの民俗音楽で
『花祭り』とか」「知らん!」「ウッソーBRENTなんとかして!」
「僕も知らん!」とBRENT。僕達は必死になって歌ったり絵を
書いたりして説明します。だってこれが判らんかったら『雨あがり』
はできんゾ。やったからです。
するとJOHNが「サイモン&ガーファンクルのEL CONDOR PASA
みたいなやつか?」「そうや〜!!そいつや!!そいつや〜!!」
「雰囲気は判ったけどどんな音やったかなぁ?」とイマイチノリが
悪い。それでも打ち合わせ中いろんなフレーズを吹いてくれて、
僕が気に入るとサラサラと譜面を書いていく。流石コンポーザーで
あります。「じゃあやってみますか?」とスタジオに入って吹き
出したら「なぁんや、さっき知らん言うてたんは冗談やったんか。」
と思うような演奏。1回録り終わると「もうちょっと面白いフレーズ
を入れる。」と言い出し、ナンヤカンヤで3回でOK!  この人も
仕事が早い。次の曲は『仲間たちよ』これはアイリッシュ系の曲
なので得意そう。BYRONのフィドルとのマッチングがとても良い。
思った以上の仕上がりです。
(この号は是非『桜の島の風の中にいる』を聞きながら読んで
下さい。お持ちで無い方は是非買って下さい。)1回録音した後
僕が「もうちょっと後半の部分を明い音で吹いて欲しい。」の
『明るく』を英語で何と言うのか判らず、宮崎も煙草を吸いに外に
行ったので『bright』やの『light』やのと色々言うテルうちに
それが『happy sound』であると理解するのに時間が掛ったくらい
であっッと言う間に終わってしまいました。

NASHVILLE紀行16へはここをclick