謙さんのNASHVILLE紀行17 

 

 

 有無をも言わさぬこの姿勢

う〜んと唸ってこの姿勢

チャーミングな奥さんと洗濯機のある家

この人がmandolinのBUTCHIです。

さあ今日からは本格的にTD(トラックダウン)が始まります。
これまで録音して来た様々な音を組み上げていく、いや織り上げて
いく大変な作業です。日本のスタジオでTDをする時は何時も
神経を研ぎすましメンバーや関係者と色々意見調整をしたり
我を通したりとかなり疲れる作業で余り好きじゃ無いのですが、
これをヤラン事には良い音を皆さんにお届けできないもんですから
1日1〜2曲のペースで疲れが出ないようにやっていたのです。
今回はメンバーと駆け引きしようにも、皆帰ってしもうて
誰も居ないのですから気楽なもんです。自分の思うがまま、
天上天下唯我独尊。「ここ、こうして頂戴!」ってな具合だと
思っていました。スタジオに入るまでは。
いつものように幕があき恋の唄うたう・・。
とちごうて、いつものように「How are you?」「Mighty fine!」
で始まった。するとBRENTが「今からTDを始めるから君たちは
2時間くらい黙っていてくれるか?もしどこかへ行きたかったら
行って来てくれても良いし、兎に角音に関して言いたい事があったら
出来上がってから聞かして下さい。ほな!!」と言ってさっさと
ミキサーに向かう。宮崎は「これが彼のスタイルみたいですよ。」
何が天上天下唯我独尊や!何が「ここ、こうして頂戴!」や!!
「しゃーけどこれがNASHVILLEのやり方やったらイッペン沿うて
みよ。」結構聞き分けのイイ僕であります。本音を言えば結構
喜んでいたのです。けどBRENTが作業しているのにどっかへ
行くのはやはり自分の音創りだけに出来ません。幸か不幸かその日
こちらに来て11日も経ってからまた例の『時差ボケ』症状が
でていたので心地よい歌声を聞きながら最初の2時間はソファーで
熟睡しました。恐らくゴッツイ鼾をかいていたに違いありません。
2時間が過ぎて「出来たよ〜。」と御飯が出来たように起こされ
ミキサーの椅子に座らせて貰い「OK !」と入った途端音が出る。
半分寝ぼけていた頭がいきなりスッキリ。「メッチャええ音やん」
聞き終わるとBRENTが「どう?」「mity fine !!」でありました。
次の曲にかかる前に「ちょっと洗濯に行こか?」と話していると
「よかったら家の洗濯機使いよし。」とBRENT。何から何まで
お世話になりました。洗濯機の在り処を案内して貰い、ちょっと
家も見せてもらっていると彼の奥さんが出て来はりました。
正直、NASHVILLEに来てから『軽四輪』位あるお尻の女の人
しか見なかったので、背が2mもあるBRENTの奥さんは『普通貨物』
位を想像していました。予想は見事に外れその奥さんは160cm位の
小柄で、華奢で、とてもチャーミングな嫁でありました。
二人はラブラブでナンカ話しては『ブチュ〜』と洗濯前のパンツ
を持った僕に構わずkissをしておりました。一寸日本が、イヤ
妻が恋しい瞬間でした。本日2曲目も難無くこなし、昼食はBRENT
の奥さんも一緒にジャーマンレストランへ。ここはハンバーガーと
ホットドッグがめっぽう旨い。(HPAmerica食物を見て下さい)
STUDIOに戻って今日中にあと2曲を仕上げます。
ようやく眠気も無くなり作業の仕方を見ていると、普通時間のかかる
定位(こんな字を書くのかなあ?)各楽器の定位置をきめる作業が
極端に短い。何故ならこの編成の場合はこの形。みたいなものが
あるようだ。それにもまして彼の頭に確実なNASHVILLE SOUND
があり、音のツボに吸い込まれていくようにどんどん仕上がっていく
勿論、文句の付けようも無い。TD間にもいろんな人がSTUDIOに
顔を出す。ドラムのBOBは昼御飯を誘ってくれたしDAVID GRIAR
は毎日のように遊びに来ます。今日は宮崎のアルバムのライナー
を書いたBUTCHI BALDASSARIがやって来ました。「明日、僕の
音楽学校であるmandolin orchestra のコンサートに来ませんか」
のお誘い「行く行く!!」等と話している内に
今日も楽しくすみました。いや〜ホンマ楽ちんでええ音が創れます。

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