謙さんのNASHVILLE紀行7   

ここいらは総てが郊外であるが、結構走ってもっと郊外にある
イタリアンレストランに着いた。思い思いのメニューを注文。
来るまでの間に僕は「明日はBYRONが帰ってしまうので、
お二人と一緒に食事が出来るのも最後になりました。僕は
30年近くお二人のことが好きでした、こうして一緒に食事を
しているだけでも嬉しいことなのに、Real Bluegrassの
大御所に僕の曲をPlayしていただけるとは夢にも思って
いませんでした。今回、僕のレコーディングに快く参加して頂
いてそしてすばらしいPlayをして貰って心から喜んでいます。
これからも、若い日本のPlayerがここに来てレコーディングを
すると思いますが、その時にも今回のように力を貸してやって
下さい。最後になりましたが30数年の長い年月、貴方達の
ファンで居られたことを幸せに思っています。ありがとう。
って通訳して!」と宮崎を介して大御所二人に心からお礼を
言った。BYRONは「今回はとても良い経験をした。僕らは
Real Bluegrassのmusicianではあるが、とても楽しい
レコーディングに参加できたことを心から感謝している。」
BILLは「今回レコーディングした曲はとても好きな曲が
多かった。ちょっと難しい部分もあったがまたこんな機会が
あれば喜んで参加する。」と言ってると、宮崎が言ってくれた。けど気持ちは充分に伝わったはずだ。だって僕の目には喜びの
涙が光っていたから。今日は朝から涙腺緩みっぱなし。けど、
暫く感じたことのなかった、イヤ忘れていた得も言えぬ感動が
体の中に充満していたことは確かである。ホンマ来て良かった。

ところでぼくのたのんだPIzzaはどないなっているんで
しょうか?皆の料理はとっくに来てるのに!店の人に言うと
「カンニン、ワスレテタ!」何処の国にもこんなことはある
のです。「ゴメンナサイネ。ボクガワルイノ、デキアガッテ
イタノニ、モテクルノワスレタヨ」「ホンマにかなんなぁ!
腹減ってるのに!あんた悪すぎやわ!」「キョウハボク、
ワルカタカラコノオカネハ、イリマセン。」
「あんたエエひとやねぇ!」勢いのついた僕は
「Pizzaただになったんやから、今日は最後の晩やし僕が
御馳走してあげる!」と訳の判らん計算を成り立てたようで
皆さんにおごってしまいました。「You are good boy!」
とBYRON。どうやら時差ぼけと言うやつ、いろんな悪さを
するようです。結局それまで皆のを一寸づつつまみ食いして
たのでお腹一杯。PIzzaは持ち帰り、明日の朝御飯にする
ことにしました。やはりアメリカは感動とオチャラケが
代わり番こにやってくる国であります。帰り道宮崎が
「RONNIE McCOURYの家に寄りましょうか」
「ええよ!なぁ?」後部座席の大御所も「行こ、行こ!」
てな訳でRONNIEの新しいお家へ。家族団欒のところへ急に
行ったにもかかわらず大歓待。暫く話していると
「そうそう、BILLに見せたい写真がある。」とRONNIEが
持ってきたのは父のDEL McCOURYとBILLが在籍していた
頃のBluegrass boysの写真。この街には代々受け継がれて
いる大切な何かがあるようです。そしてそれが世代を越えた
おつき合いを可能にしているのも確かなようです。
次の朝起き抜けに昨日のPizzaを食べた僕は、皆とSHONEY'S
へ行っても何も食べることが出来ず、テンコ盛りのミルクを
飲むに留めました。食事を済ませレジに向かったその時、
BYRONが床に落ちていた1セントのコインを拾った。
「KEN!いいものを上げよう。この国では人が拾った
コインをlucky coinと言うんだよ。きっといいことが
あるよ。」今日までが十分いいことに様な気がしているのに
もっと良いことがあるのかしら?店を出ると、いよいよBYRON
とお別れ握手をしながら「僕はBYRON BERLINEをもっと
恐い人かと思っていた。本当はとても優しい人でした。
一緒に過したこの3日間は僕も人生で最も思いで深い3日間に
なるでしょう。」と自分で言った。BYRONはゴッツイ手で僕の
肩を抱えて「楽しかった。よいalbumが出来る事を祈って
いる。」BILLは止まっていた。
さよならBYRONまた逢いましょう。気を付けて帰って下さい。

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イタリアンを楽しむ大御所たち

 

Bluegrass首脳者会談

 

RONNIEの家族と止まっているBILL

 

 

 

BYRONに貰ったlucky coin